世界のカルチャー中心地・東京の魅力を今一度振り返ろう!

私たち日本史を振り返ると、近代化を加速させ、世界社会の主要な地位を占めるまでに発展させる原動力となったのは、間違いなく、江戸時代における突出した感性、上位文化、教育のおかげでしょう。

2021年に予定されている東京五輪では、今一度、永遠に受け継がれる有形・無形の文化遺産を残すことになるでしょう。未来に向けた長期的文化戦略、東京ビジョンによれば、東京大会は日本の芸術・文化を世界中に売り込むために活用される、とのことです。

現在、東京都は、アクセシビリティとインクルーシビティでさらに知名度を高めようとしています。障害の有無にかかわらず、個人個人がさらに多くのインクルーシブな文化的機会を手に入れ、共同での取り組みができるようになっています。

そもそも、東京の歴史についてご存知でしょうか?現在、東京として知られている地域は、江戸時代(17〜18世紀)に、江戸の町を中心にして商業、芸術、上位文化の中心地として発展しました。

1869年に明治天皇が首都を京都から移し、東京奠都が行われ、江戸は「東京」と改称されました。道路や鉄道の建設、電話線の設置が進められ、従来のまげや着物に代わって、西洋風の髪型や洋服が取り入れられました。こうした変革すべてが19世紀終わりの急速な近代化と文化的変遷に貢献したのです。 

ところが、順調に発展していた東京に、さまざまな悲劇が襲いかかります。第二次世界大戦に加え、1923年の関東大震災によって町は壊滅状態になったのです。20世紀の終わりには、好景気と不況の波があり、それと同時に、消費至上主義の発達と都市部の急激な人口減少および増加が起こりました。

そんな苦境を乗り越えながらも、今日では、世界で最も人口の多い大都市となり、中心街では1,300万人、都市圏では3,800万人の人口をかかえる「ビッグシティ」と生まれ変わりました。

そんな歴史を背景に持つ東京は、伝統とイノベーションが共存する都市といえます。伝統といえば、能、歌舞伎、落語などの何世紀も続いている舞台芸術や歴史的神社仏閣が有名です。歌舞伎座、国立能楽堂、国技館は、この都市において極めて重要な場所です。

一方、イノベーションでいえば、国内だけでなく海外のプロデューサーにとって世界のカルチャーの中心地としての役割を果たしています。革新的なファッション、音楽、芸術、テクノロジー、アニメーションのトレンドで世界的に人気があります。 

ここ数年、LINEや東京に端を発するその他のソーシャルメディアのプラットフォームが日本および世界に拡大してきました。中でも、「ニコニコ動画」は国内最大のソーシャルネットワーク動画サイトで、159万人以上の会員数を誇っています。会員どうしが直接交流できるニコニコ超会議のイベントには、1,500人以上が参加。このほかにも、東京を本社とするITやソーシャルメディア企業は無数にあり、ほとんどが浅草、秋葉原、原宿、渋谷を中心にビジネスを行っています。

もちろん、先鋭のテクノロジーだけではありません。東京には、常に現代的なファッション、デザイン、建築があふれており、刺激的な日常が待っています。

それにもかかわらず、伝統ある歴史的文化が受け継がれなくなり、終わりを告げるのではないか?という大きな懸念もされています。そこで東京都は、伝統文化の保護を優先しながらも、学校や海外の観光客に向けて、茶道や舞台芸術など、伝統文化の実体験プログラムを積極的に提供しています。

魅力が尽きない都市・東京ではありますが、直面している課題のひとつとして、「少子高齢化」がよく挙げられます。これは政府も懸念している深刻な社会問題となっており、さまざまな対策が講じるよう動いています。